月2回の定例活動など、緑のダム北相模のさまざまな活動を紹介しています。
講義「林業生産技術と森林・林産業の循環の輪」(前半部)を開催
昨年度の東大安藤直人教授による「グリーンハブシティ勉強会」に続き、本年は
7月17日に東京大学本郷キャンパス内ファカルティハウスで行われた
同大大学院農学生命科学研究科、森林利用学研究室の酒井秀夫先生の講義
「林業生産技術と森林・林産業の循環の輪」の様子をスライドを
交えて報告します。
当日の内容に加え、後日酒井先生から追加された部分も公開しています。
プレゼンテーションの画像はクリックすると拡大します。


講義後半質疑応答も公開しています。




 林業生産技術ですが50分ではとても話しきれない。
 そこで少し見方を変えて違う角度から見てみたい。
 「これから森林林業にどう向きあうか」という別の切り口で話してみたい。

 幸せ度を見てみ見ると、福井が1位、大阪が最下位。このことは何を意味するか。
 人口が多いから幸せかというと必ずしもそうなっていない。
 日本海側はゆったりしている。土地利用にどうもヒントがあるのでは。
 国別で見てみると、デンマークが1位、2位はスイス、先日国王が来日して被災地を見舞ったブータンは国民の幸せ度を優先する国として知られているが8位。
 日本は90位で、中国より幸せ度が低い。
 1人当たりGDPで見てみると日本は高い位置にある。スペイン、中国、より高いのになんで幸せでないのか。幸せになる要因があるのではないか。
 国土面積3700万haに占める人工林の割合は1,000万haで4分の1、28.3%で世界一。中国は8.2%で5位となっている。ブラジルは0.8 %で7位。
 面積で見ると、日本は10.7%で5位となる。カナダが45.1%で1位、インドは32.6%で2位。
 世界的にはエネルギーとかパルプとかに人工林を増やそうとしている。
 ロシア、アメリカは人工林が多い。日本は人工林が多くてしかも眠っているのか、腐りかけているのか、磨けばよくなるのか。これをいかに利用していくかという問題になる。
 過去2000年間の土地利用の変遷と人口でみていくと、江戸時代から人口が増え、明治維新からエネルギーも食料も自給自足ができなくなって、北海道の開拓とかブラジルに移民したりしてきた。
 しかし3年前から人口減少に転じてきている。明治のころ植林したので、はげ山がほとんどなくなったのが今の状況。天明・天保の飢饉を二宮尊徳は経験している。天明の飢饉で相馬藩は人口6万人のうち餓死者16,000人、領民離散もあって4割減ってしまった(註:32,000人に減少)。荒れたところを二宮尊徳が指導して開墾し、相馬藩が富山から人を呼ぶけど、足りなくて福井からも呼ぶ。そこが今回被災にあった。
 これから人口が減っていく中で、人工林をどう利用していくのかを考えなくてはならない。
 日本林業の推移は山元で杉を買った時に、60年代、80年代は1立方当たり7,000円していて、当時の賃金が1日700円ぐらいで、10人程雇えたけれど、人件費が上がって、杉の価格が下がり、85年は日給10,000円になっているから1.8人程になってしまう。 他の産業の賃金が高いので山から都市に人が流れて、ちょうどこの時に林業の国 産材の供給量が33,000立方あって、立方mあたり15,000円で自給率が36%あった。
 日本林業の輝いていた時期あるいは土俵際でもあった。85年プラザ合意があって、1ドル240円が120円になった。外材が半値で買えるということになる。
 1985年にスウェーデンは技術革新ができて国際競争力を持ってきた。円高で外材が入ってくる。バブルの絶頂期で自動車が花形産業の時代から家電、テレビ自動車等の産業が新興国に移ってきて、工業が空洞化してきている。その中で日本の農業が外国の生産価格に追いつかない。林業もしかり。日本の工業の空洞化の中でどう生きていったらいいのか。
 林業従事者が最盛期44万人。ところが工業化で、今は約5万人。
 木材需要自体も減ってきている。ひところ1人あたり1立方だったのが、0.8立方とか0.6立方にまで減ってきている。かってのように3,000立方出せば自給率が半分になるけど、需要が減っている。資源としては充実してきているけどこれをどうマッチングしていくか。
 60年代40万人いた林業従事者が高齢化で減ってきている。5万人から25,000人で落ち着くだろう。
 今5万人で木材生産量が2,000万立方とすると25,000人で自給率を50%上げるとすると、生産性を4倍まで上げなければならない。できるのか。そのための道、機械がよくなっても5年、10年で飛躍的に増えるとは思わない。大きな流れになるまでは時間がかかる。今の半分に減った林業従事者で倍近い生産量を上げるには、小規模の森林所有者つまり自伐林家が主役になっていかないと日本の山は磨かれないのではと思っている。


参考文献:酒井 秀夫(2012)林業生産技術ゼミナール.全国林業改良普及協会
記録:丸茂 喬(本会、理事)
| kitasagami | 森をつなぐ | 23:03 | - | - |
講義「林業生産技術と森林・林産業の循環の輪」(後半部)を開催
講義前半質疑応答も公開しています。


 自伐林家という言葉は適切でないかもしれないですが、適宜伐れるときに伐る。
 自分の家に山があるということは非常に恵まれていると思う。
 幸福度の話になるが、自分の所に山がある。これは都会ではできない。
 自分で伐った分は自分の収入になる。初回間伐は森林組合に頼むけど、材の大きさが揃ってきたら自家労働で市場に出してみる。臨時収入が醍醐味になってくる。都会から離れて、自然の中で家族一緒に仕事をした後、食事を楽しむようなライフスタイルの見直しが考えられる。それから、緑のダム北相模のように商品づくりも考えればある程度の収入がもたらされ、山もだんだん磨かれてくる。
 これも緑のダム北相模の活動に見られるが、参加した人を鏡にして人間として磨かれて、自分自身も成長しているんだという充実感が新しい価値になるのでは。
 従来のマネーベースでない違う価値観が必要になる。作業能率を求めない作業システム。間伐というのは競争に負けてしまった木、まがった木などそれをボランティア活動で間伐して山を整備する。
 新たな価値の創造として、無理のない能率で安全第一で行う。一方では森林組合など事業としては効率を上げ、機械の償却も考えていかなければいけないわけで、両方組み合わせて、4,000万立方を消化する地域の森林経営を立てていく必要がある。
 地産地消として出した材が、木材の価値に見合った商品になっていないが、遠方に出すより燃料とか住宅の部材に使用し、残りはペレットとかパネルにして付加価値を付けて運ぶとか地元でなるべく消費するのがよい。
 一方材木はグローバル市場になってきている。リスボンでマーケティングの国際会議があって参加した。原則は地産地消だが、一方では輸出で船とか鉄道で運ぶというのが研究発表だった。日本での需要が6,000万立方。今、年間の成長量が8,000万立方と成長しているが、出口をどうするかという問題で、林業の主役をどうするのかを考えていかねばならない。
 自伐林家、小規模林家、森林組合など主役はいろいろあるが、あるいは第3者のような輸送業者も考えられる。
 ブラジルは広葉樹床材を自国で4,5%消費しているが、驚きは中国に33%も輸出している。
 まだまだ日本も出口としてマーケットがあるのではないか。せめてこのシェア―をとらなければいけない。ブラジルは人工造林を熱心にやっている。主に燃料用。まだまだマーケットとして、中国や韓国もあるのではないか。
 この表は森林を利用していくときの長期戦略計画。
 計画は、調達があって、準備があって、生産して、輸送して、販売する。入口があって、出口がある。今のように、間伐補助金を付けて、間伐するけど誰も買ってくれない。
 提案型集約化施業でようやく始まったが、森林所有者を把握し、境界を確定して、施業委託して契約していく。地域から何立方が生産可能か計算をして、機械の台数、土場の配置、運送の体制を決めていく。土場に合板工場、バイオマス工場が製品を取りに来ることも考えられる。土場は配送センターの役割、チッピングの場にもなる。このようなグランドデザインが必要になる。
 出口として隣の町にも出す。相模原市のような交通の要所では考える必要があるのではないか。
製品をだれにいくらで売るか。長期で買ってもらう。値段設定が決まる。これが計画され実現できて山から木を出して意味がある。
 そのために林道、作業道がいるということなら補助や計画ができる。そして素材の生産計画として例えば10年で一巡するのであればこことここは今年度、来年度はどこかといういうことが決まる。乾燥はどうするか、在庫はどこに置くか。市場予測に合わせて、在庫管理ができる。 例えば、パルプの市況がよければ、合板削ってパルプに回すとか、市場予測をして営業ができる。
 今までの日本の林業は、丸太を売って、商売をしていただけ。全体をマネジメントできないと産業として育っていかない。入口と出口をコ―ディネートしていくトップの役割が必要。この役は、森林組合とかユーザーが集まって協議会をつくるとか工夫が必要。今までは、林業者が、いい木を育て売る、一本いくらで売るかのような商売であったけれど、全部がいい値段で売れるわけではないので、先端材までバイオマス利用など有効利用を考えながら、ユーザーと手を組む必要があるのではないか。今までは、買う方もできるだけ安く買うことを考え、お互い足の引っ張りっこをしていた。
 林業は生産者と消費者が一緒に連携して、価値を高めるように文化を変えねばならないと思います。なるべく多くの人が関わって1本の木で食べていくということも大事である。
 自伐林家のケースだが、枝打ちをして、下草刈して、除伐してもお金にならないけれど昔の人は山を磨いてきた。
 列状でもいいので初回間伐し、初回間伐は森林組合に頼んで、自分で間伐をNPOと一緒になって行い山を磨く。
 いい山にして、木の価値に見合う値段でどう売るかが大事。繰り返し間伐し、繰り返し山に入る。
 林業関係者がよくいっている言葉に「山の肥料は人間の足跡」という言葉がある。山によく行って、人間の足跡を付けるかで山がよくなる。


参考文献:酒井秀夫(2012)林業生産技術ゼミナール.全国林業改良普及協会
記録:丸茂 喬(本会、理事)
| kitasagami | 森をつなぐ | 23:02 | - | - |
「林業生産技術と森林・林産業の循環の輪」質疑応答編
講義に引き続き行われた質疑応答についてご紹介します。
講義前半後半も公開しています。

北都留森林組合参事 中田無双氏より
Q:国の政策で、今年から搬出間伐をしないと補助金がもらえないという事で、総論は賛成ですが現実問題として、現場は切り捨て間伐をやらざるを得ない状況の中、ha当たり100立方出せば認めるということになっている。いいかえれば、あとは捨ててもよいことになる。この方法ではいずれ行き詰る。2回目の切り捨て間伐をどういう方法でまわしていったらよいのか。アドバイスをいただきたい。

A:デンマークはバイオマス利用が盛んで、エネルギー利用が可能伐採量に肉薄してきている。エネルギー用材を輸入しなければ、地域の熱暖房エネルギー利用に追いつかない。
 日本では7月から、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度ができて、キロワット当たり30円という値段が決められ、これはとてもいいと思っている。杉だとバイオマス工場に持っていけば、立方m当たり15,000円で電力会社に買ってもらってもよい。
 デンマークでは架線集材の見直しが進められている。デンマークも切り捨て間伐がいっぱい出ているけど、道端まで全木集材をして道端にストックしておく。それをエネルギーとして利用していこうとしている。角材にもならない材は、チップとしての出口をつくって熱工場とか病院、学校に持っていくような出口をつくっている。
 例えばウィンチで架線集材して、チッパーを入れたらどうか。伐倒は森林組合がやる。後は自由に持って行ってください。伐った木は所有者のものという時代ではなくて、誰かにあげてそのかわり山をきれいにしてくださいということでもいいのではと思います。江戸が大火にあった時に幕府に保科正之という名君がいて幕府のコメが焼ける前に持ち出した人にあげた。米が焼かれずに持ち出され、炊き出しをしないですんだ。という例もある。
間伐材も区画を決めてマークしたのは持っていっていいというようなやり方もある。
これから、25,000人では4,000万立方mを賄いきれないので、地域で出た材がじくじくと集まって、4,000万立法mになる。
 実はオーストリアでは初回間伐は森林組合にお願いして、2回目から自分で伐ってみんなで示し合せて集めて、ロットをつくって買ってもらっている。県森連のようなところが目配りをしてやっている。
 燃料チップは建築廃材が安いし、石炭もまだまだ安いのでどう競争していくか。競争できないところに県民税なりの税制補助をやるしかない。
 行政の支援がないとできない。切り捨て間伐の面倒を国は見てくれないけど、県のエネルギー政策として、面倒見ましょうというのがあってもよいと思う。
 山に石油が落ちているという風に考えればいいのかなと。架線集材が見直されている。

住工房なお(株) 社長 鈴木直子氏より
Q:木材コ―ディネータ―をしています。山の価値をお客さまに伝えながら餅屋は餅屋としてネットワークをつくってやっていこうと思っているのですが、一人でやっているので進まないのでどういうネットワークを作っていったらいいか。
 木材のデーターベース化をはかっていきたいのでアドバイスをほしい。

A:どこに何があるかを知っているのは大事です。データーベース化は必要と思います。
 一人ではコ―ディネートできませんので、山の入り口と出口の人と連携して協議会のようなものを作っていかないとコ―ディネートできない。
 できるだけ大勢の人に利益を分配されるやり方が大切に思います。

緑のダム会員 伊熊敏郎氏より
Q:カーボンフットプリントの制度として国産材を拡販するのに効果があるのか。国産材のエコポイント化など炭素固定の価値を見出そうということだと思いますが、この2つの制度は林業生産の発展につながるのかどうかご意見を伺いたい。

A:ウッドマイレージですが、商社が九州でコ―ディネートをやりたいということで林道に投資し機械を買ってあげる。引き換えに、商社が製品を製紙工場とかに分けますよという絵を描いたが実現しなかった。それは船で一度に5,000立方、10,000立方と入ってくる。カーボンフットプリント以前にオーダーが違う。山に林道を投資するよりも、船で運んできた方が安い。カーボンフットプリントは経済ベースには乗りにくい。むしろ怖いのは石炭が毎日貨車200輌で港に行って日本に来ている。石炭を燃やして、排出しているCO2排出量を外国に払っている。火力発電に使うよりもバイオマス発電の施設を作ってもいいのではと思います。
 エコポイント制度は県では成功していると思います。
 木造住宅を建てると、柱何本あげますよとなるけど、量としてまとまっているか統計を取るとそれほどにはなっていない。
 車にエコポイントを付けるけど、むしろ木造住宅につけた方がよいと思う。

三井物産 環境・社会貢献部 社有林・環境基金室 齋藤昌史氏より
Q:架線集材が見直されていると言う事でしたが、オーストリアの例と他の例は同じなのか、架線集材の条件は違うけどバイオマスの需要があるので成り立っているのか。お聞きしたい。

A:オーストリアも日本と同じ地形が急峻ですから、ha当たり40m入れて、集材距離150mにして、出していこうというコンセプトが40年も50年も早い時期からやっているのですが、バイオマス利用が手っ取り早いのではという理論が出てきた。
 日本はタワーヤ―ダ―のブームが過去3回あった。1回目は昭和40年代にかけてだが、道がなく断念した。1990年代にブームがあった。上げてきた材木をさばくローダーが普及してなく、持て余してしまった。ガイラインをはらなければいけない。
 (註:ガイライン:控え索)
 スイングヤ―ダ―は遠くから持ってこれない。20から30mしか持ってこれない。スイングヤ―ダ―の技術に行ってしまったけれど、今度3回目のタワーヤ―ダのブームが来ると思う。エネルギー利用では、タワーでなくてもトラクターのウインチでもかまわない。

 ヨーロッパの機械は20トンで、日本の林道は走れない。専門の会社がタワーヤ―ダを持っていて、全国をタワーヤ―ダで出しまくっている。
 日本は補助金付けて一つの組合に買わせてしまう。ところが4,000万〜5,000万円で購入させてしまいなかなか償却できない。
 日本は道がまだ入っていなく大型化するべきではないと思います。

(株)山康商店社長、芝浦工大客員教授 山崎尚氏より
Q:出口にもっと力を入れていかないと解決できない。それと切り捨て間伐を許可すべきでないと声を大にして林野庁に言うべきだと思う。そしてバイオマスで間伐を使う事を強く奨励すべきではないのか。

A:ドイツで林業機械を見てきましたが最近の傾向で、大型チッパーのシェア―が出てきた。大径材も一回砕いてから、チッピングする。
 もう一つ増えているのがマキ割り機械です。
 燃料としての利用が増えてきた。
 相模原市でも熱利用で、病院とか学校での利用を考えるといい。
 資源収奪の時代が来るのではないかとい思う。

Q:2100年には人口5,000万人になってしまうといわれている中で、既存の住宅も再利用の木材利用を芝浦大で研究しており新しい木材利用が減少する中で、どうしても出口開拓のための輸出を考えざるを得ないと林業は報われないと思いますがどうでしょうか。

A:需要が成長量以下ですから、その分伐って輸出できるのではないかと思います。
 日本の需要の4割が紙ですが、紙の自給率は低い。中国は10年前は1人当たりの紙パルプの使用量は10キロぐらいで、日本人は250キロぐらい、中国は一昨年は60キロ、昨年は80キロでだんだん増えている。中国が紙の消費の世界1位で、いずれ紙は貴重品になっていくだろう。
 切り捨て間伐が紙に行くのか、エネルギーに行くのか、将来大事な問題ではないかと思います。
 2050年には「バイオフューエル」というのが増えるのではないかとカナダの人が発表していましたが、3つのF、FOOD,FUEL、FIBER、新しい需要を開拓しないと。補助金付けて木を伐っても土場にあふれて材木の値段が下がっているのが今の仕組みではないかと思う。

U氏より
Q:設計をやっている人間として住宅に力を入れていきたいと思っていますが、建物利用とバイオマス利用の関係をお聞きしたいのですが、例えば、30坪以下の建物を年間100棟建てた場合の木材の消費量と、バイオマスエネルギーの消費の量とどちらの方が消費が多いかお聞きしたい。

A:一軒20立方として、100棟で2,000立方ですね。木材で暖房とると一軒年間10トンのチップを使うと言われています。燃料は毎年使う。住宅は一軒建てるために木を育てるのに60年から70年かかる。家1軒は30年で建て替えるとすると、1世代の木を2回使う。時間軸で見ていかないと比較はできない。

Q:できる限り出口の部分で地元の木を使っていきましょう。ということをエンドユーザーに分かりやすく伝えていかねばならない。
 また、相模原市が跡地利用で住宅地開発をしていこうという計画を立てている。一民間企業だと、知れているので連携が必要。相模原ブランドをつくろうという時にネットワーク化が必要になる。そこで中心になる人物が必要である。官・民・学が一体で連携していく方向性が必要。ハウスメーカーはブランド力でアピールできるが、地域の一工務店がいいものを持っていても、ユーザーにアピ―ルできない。お願いしたいことは、オープニングセレモニーでこれだけいいんだということをアピールしてほしいと思います。

A:ある人に言わせると、1軒1軒バラバラにやるのでなくて、広い土地があれば集落にして、そこをバイオマスで地域の暖房を行う。いわゆるバイオマスタウンのようにすればインパクトが強いのではないか。

Q:正に住田町森林組合の例がそれでぜひ一度見てほしいです。

相模原商工会議所 都市産業研究会・会員 長崎克央氏より
Q:今回の講演で共感いたしましたのは、マネーベースでない違う価値観でとらえる必要性を説いていたことです。 青根で全て地元の木で建てた家を見た時、周辺がすべて山に囲まれ、素晴らしい景観であった。そこで使っている木が裏の山の木で非常にリアルに感じられた。地産地消として地元の木を使うことがとても美しく違和感がない。お金でない価値観はある種の美意識というようなもので、そのようなものをたくさん感じる機会があるといいと思っております。例えば、農業の場合は、市民農園がありますが、森林組合の協賛で「市民農林」の様なケースがあってもいいのでは、例えば10年間そこを整備してくれたら、そこの木を格安で売ってもいいようなこととか、間伐したら家に持ってきてマキに使ってもいいとかそのぐらいの事は細々やっていくと、環境教育の面でも、それまで入ってはいけないと思っていた山に、山の空気、絞り水などの体験が山に行ったら元気になったという積み重ねが、消費地と山をつなぐうえで相模原市は非常にいい立地を備えていますので、みんなで情報を共有していけば相模原市の森林も素晴らしくなると思います。

NPO法人さがみはら環境活動ネットワーク会議
相模原市温暖化対策委員 増田氏より
Q:市民農園をやっているが市民林園という提案は素晴らしいと思いました。
 これからCO2削減のために市民協議会を立ち上げて、この様な提案を出していきたい。
 また、自身も山を持っているのでこれからは山を磨くことに取り組んでいきたい。 記録:丸茂 喬(本会、理事)
| kitasagami | 森をつなぐ | 23:01 | - | - |
定例活動報告 第335回 (嵐山の森)
「時間・空間・広がる森を守る活動」

 夏を彩る森入り口・お花ガーデン。薔薇・桔梗・その中で一際映える真紅のグラジオラス。花は、夏の太陽に負けぬ輝き。

 今日も森で少年・青年・壮年・熟年の意欲的活動が始まる。宮村教諭指導の、杉並区立高井戸中・地球環境部の部員21名+相模原市の麻布大学を核とする学生・ForestNova+そのOBOG、壮年・熟年20名。計62名。

 濃緑の森の中、若者たちのカラフルな作業着が眩しい!。今日は、社会人になって巣立って行ったForestNova OB、OG(和歌山県、三重県、岐阜県、インドネシア)等、遠方より駆けつけての参加が特別に嬉しい。彼らは、斉藤・緑のダム体験学校長の要請を受けて「カブト虫牧場の天地返し作業」に挑戦!。猛烈な悪臭を「これぞ、自然の香り!(滝沢)」。「心地よい汗(大塚潤子)」。「岐阜で毎日、緑のダム活動をやってます(斉藤俊一)」。「毎日、期待、プレッシャーとの格闘です(二藤)」。「インドネシアで森と格闘しています(中司)」。

 消防士になった吾郷OBは、命を懸ける現場で学んだ技術を後輩たちに伝授した。即ち,「掛かり木(隣の木に引っ掻かった木)」が、死に直結する怖さであることを直伝した。

 初参加と言えども、世界を股にかけて活動する「NPO法人・地球と未来環境基金」の美濃部さんの話は、迫力があった。緑のダムが何を考えているかを見に来たそうだ。彼が連れてきた水上OBも麻布大出だそうだ。この森に学生が入って6年、OBと現役学生が繋がって、時間・空間が生きている。緑のダム会員が共有する熱い想いが、中・高・大・壮年・熟年を繋いでいる。終礼の時に、天竜の金原治山治水財団に身を投じた斉藤俊一さんは、「この森で学んだ事が、私を生かしてくれています」と言った。
| kitasagami | 森をつくる、定例報告(相模湖・嵐山の森) | 22:10 | - | - |
経営運営会議 議事録
場所:マルモ出版会議室
時間:18時から
参加者:石村、内野、川田、斉藤、瀬戸、宮村

【1】定例活動
A 相模湖・嵐山の森
(1)7月15日(第3日曜日):定例活動
◎定例活動
[1]森林整備班:径路・林内整備
[2]花畑班:草刈、垣根作り
[3]木工班:(小原巨大ベンチ補修?)
[4]望星の森・なみすけの森:
[5]フォレストノバ:
[6]命の森宣言東京:協働協約のボサ刈り(東海自然歩道寄り)

(2)8月12日:定例活動
[1]杉並教育研究会環境教育部受入れ(宮村)日曜研修は教育委員会不可
[2]学芸大環境教育専攻1年の環境保全活動プログラム(学外実習)10〜20人受入れ(宮村)。

(3) その他
[1]嵐山協働協約。地区名は「F」地区。市の補助20%の目途が付かないため、作業道・間伐は来年度に延期
[2]9月?:体験学校:セブン-イレブンみどりの基金:社員及び相模原市内加盟店
[3]10月市内の小中学生:金山先生(相模原小・中合同校長会長)(森林ビジョンと関係)
[4]11月早稲田
[5]11月フォレストキッズ(JFIK:内野)

B小原本陣の森
(1) 7月1日:径路整備
(2) 8月5日:径路整備、巨大ベンチ補修

C その他
救急箱薬品:(小原の確認も行う)

【2】イベント&地域活動
(1)環境情報センターのロビー展示の模様替え「森林テーマ」(宮村):模造紙6枚展示中(6〜8月)
・「森の積み木」:はやぶさ制作(9月?)、
(2)相模原市/山口課長作:木のカルタ、ヒノキはスギより字が乗り易い。女子美が画。
(3)6月10日(日)小原活性化協議会全体会議出席(川田)
(4)7月10日16時〜JAXA講演:イオンエンジン開発者。場所:高井戸中。

【3】理念活動

1 打合せ・会議・グリーンハブシティ構想
(1)7月17日(火)18時酒井先生講義「林業生産技術と森林・林産業の循環の輪」 東大ファカルティハウス
(2)7月28日(土)相模原市協働事業報告会
(3)7月28日学大オープンキャンパス講演(石村・宮村)

2補助金申請関連 (石村)
(1)相模原市本庁ロビー:ベンチ展示、緑のダムからの寄付という形にする
(2)セブンイレブン報告書/申請書提出済み、
第4期3年間決定
(3)三井物産環境基金(来年度以降:作業道建設教育?)
(4)公益財団法人自然保護助成基金、申請済み

3森の積み木
(1)約1万個、やまのべ館にて仕上げ作業、6月8日ケース詰め確認
(2)はやぶさ「模型キット」の開発→藤工房検討中

4 その他
(1)相模湖駅一元寿司2階改装完了、津久井郡森林組合から西坂工務店。(仲介:渕上)
(森林組合:間伐・搬出終了:乾燥中。2か月間林内乾燥)
(2)Forest Nova倉庫整理費用支払済。ゆうちょ銀行通帳もつくり清算に使用する
(3)緑のダム北相模 PR冊子(丸茂)

【4】事務局・組織・会計の簡略化
(1)7月3日:谷田部会計事務所と確認・打合せ/昨年度の決算方法で良い。(吉田、川田、石村夫妻)
(2)7月3日:会計データ昨年度分訂正入力(吉田、宮村、川田)

【5】継続案件
1 会員名簿の整備(斉藤)
(1)名簿データ(住所、電話、メールアドレス)の整備方法の再検討を行いたい。(事故発生時の保険金支払い請求にも必要)ニュースレターなどに会員の動静も掲載したい。
(2)一般メーリングリストメンバーの整備(全会員:メールがない人を除く)。
(3)運営会議のメーリングリスト(理事、運営会出席常連者)。
(4)ニュースレター郵送者の整備(宮村、石村)
(5)会費納入管理名簿の作成
以上の打ち合わせを7月中に行いたい。
| kitasagami | 経営運営会議事録 | 21:44 | - | - |
宇宙と森のコラボレーション 「はやぶさ」講演会 を開催
 本会の活動する相模原市には、JAXA相模原キャンパスがあり、小惑星イトカワからサンプルを持ち帰った工学実験機「はやぶさ」はあまりにも有名です。そこで、同じ相模原市という縁でこのはやぶさを本会の積み木で作ることにしました。今回は杉並区立高井戸中学校にJAXAからイオンエンジンの開発、運用に携わった細田さんに来ていただき、はやぶさのお話をしていただきました。在校生、卒業生、保護者、本会関係者40名近くが集まりました。イオンエンジンという非化学的な推進方法の原理やメリットなどをお話ししていただいても面白かったのですが、対象が中学生ということをよく理解していただいていたのか、宇宙のはじまりのことや電波や光のこと、打ち上げや運用の裏話など、1時間があっという間の講演で、中学生たちが食いるように聞いているのが印象的でした。

 また、はやぶさだけでなく、打ち上げに使用したロケットも作ってはどうかと提案してもらい、ロケット制作専用チームを作り、試作をはじめています。頭部にはレゴのはやぶさが入るというギミック付です。もちろん、はやぶさも、本体や上部のアンテナ、イオンエンジンなど特徴的なパーツはできつつあり、あとは細かいセンサーをどこまで再現できるかに挑戦しています。実は、最も肝心なサンプル回収カプセルにかなり苦戦しており、中学生の創意工夫に期待している所です。完成した積み木のはやぶさは9月の相模原市環境まつりで公開予定です。


| kitasagami | 間伐材の積み木の取組み | 22:16 | - | - |
神奈川県 もり・みず市民事業支援補助金に採択されました
 神奈川県の「水源環境保全・再生」を目的とした活動に財政的な支援をする「もり・みず市民事業支援補助金」の募集があり、「市民事業高度化支援部門」に事業計画書を提出しました。間伐材利活用のために、伐採・搬出・製材・加工・販売の仕組みをつくり、地域材を流通させ経済性を創出し、森林地域と都市をつなぐことが事業目的です。

 緑のダムの15年間の実績を継続するために、具体的には間伐材を内装材として施工する。デザインコンペの入賞作品などを製品化する。ベンチをキット化して流通ルートを確立する。年間を通して津久井郡森林組合や加工業者など関連会社と連携を取り合い、販売ルートを確立したいと考えています。

 この目的のために、「さがみ湖 森・モノづくり研究所」を開所し、緑のダムと連携をして間伐材利活用事業を進めていく所存です。
 ご意見・ご要望などありましたらぜひお聞かせください。
| kitasagami | 森をいかす | 22:13 | - | - |
定例活動報告 第334回 (小原本陣の森)
 この日の小原での定例活動は、私たちForestNova☆から新入生がたくさん参加し、朝の電車内から既に、活気に溢れていました。しかし、あいにくの雨の予報とのことで、初めて森林整備をする人にとっては、少し厳しい環境になってしまいました。
 いざ、拠点に着くと、まだ小粒の雨は降っていたものの、上空を生い茂る杉・檜の葉が活動の妨げにならない程度に、雨をしのいでくれていました。木々が持つ様々な機能の中に、こんな効果も含まれているのでは、と感じました。 始めに、朝の体操をした後、緑のダムの川田さんから現在整備中の径路の説明をしていただきました。長いあいだ作業をしてきたこの径路も、年内には完成するとのことです。また、初めて整備をする人にとっては、作業に入る前の打ち合わせの重要性を意識することができました。
小雨が降る中、山に足を踏み入れていくと、道々に生えている植物の草丈が、先月よりも大分伸び、緑が豊かな素晴らしい風景が見られました。ただ、闇雲に前に進むのではなく、四季折々の植物が持つ様々な表情、そんな微妙な変化を感じ取りながら、同じ志を持つ仲間と山へ足を踏み入れる、改めて素敵な活動だと噛み締めています。  そんな仲間と造ってきた径路も、自分たちが初めて整備に関わったときと比べると、ずいぶん長い道のりになり、当日の作業場所までたどり着くのにも、大粒の汗をかきながら登っていきました。しかし、不快な気持ちは微塵もなく、むしろ、ここまでよくできあがったな、と感慨深い気持ちになりました。
 この日は、前記の通り、初めて参加する人が多かったので、ForestNova☆の上級生が一年生に説明しながらの作業を行いました。この説明も、決して上級生一人一人が学んだことだけではなく、緑のダムの方々はもちろん、ForestNova☆の卒業生、定例活動に関わったたくさんの方々に教わったことを、私たちの後輩へと引き継いでいく、という気持ちで行いました。また、外から入ってきた知識を、自分たちの口から人に伝えることで、さらに知識が定着していきました。こういったふうに、ただ、漫然と作業をするのではなく、ひとつひとつの施業の意味を考え、それを人に伝えることで、改めてもりづくりの大切さを実感できました。
 施業自体は、欠頂木等を間伐し、それを径路にしていく作業を行いました。木という資源を無駄にしないで、余すことなく利用するということに、新入生も感心していました。施業が終わった後は、今回の施業の振り返りを行いました。こうして、活動で習ったことを復習し、次回の活動をよりよいものにしていくことが、私達が森林整備に関わる上で、一番大切なことだと考えています。
 参加人数が増えても、これからも変わりなく、良い森をつくるために全身全霊を込めて、作業をしていきたいと思います。
| kitasagami | 森をつくる、定例報告(小原本陣の森) | 22:08 | - | - |





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